乳児湿疹 アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎診療ガイドラインによると
いわゆる乳児湿疹はアトピー性皮膚炎に加え
脂漏性皮膚炎、接触性皮膚炎を含んでいる。
約60%はアトピー性皮膚炎ではない。
食物アレルギーになる要素として腸管からの吸収以外に
皮膚からの抗原吸収により食物アレルギーが増える。
アトピー性皮膚炎は食物アレルギーの強い危険因子である。
アトピー性皮膚炎のコントロールが悪いと3歳児の
食物アレルギーが増加する。
アトピー性皮膚炎と診断されなくても皮膚に炎症のある
湿疹は皮膚からの抗原吸収(バリア機能の破壊)により
アレルギー発症が増える。
皮膚湿疹のコントロールが重要である。
アトピー性皮膚炎の治療にはステロイドやタクロリムスを使う。
主にステロイドを使用する。
ステロイドは充分効果の出る強さのステロイドを使用する。
その強さのステロイドはよくなってきても強さのランクを
変更しない。指導を受けた回数を守ることが重要。
皮膚がつるつるになるまで使用する。
つるつるになってもいきなり中断しない。段階的に塗る日数をあけて
塗っていく。プロアクティブ療法という。
綺麗な皮膚になっても潜在的な皮膚炎症が残っているため
段階的な減量が必要。
塗り方は強く塗り込むのではなく皮膚を覆うように
薬を伸ばしていく。
塗る量は人差し指先端から第一関節までの量を
フィンガーチップユニットと呼び、その量で両手の平サイズ
の範囲を塗る。
その量でいくと全身では一週間で67グラム必要となる。
かなりの量であるがそのくらい必要ということである。
顔は皮膚からの吸収がいいので、保湿剤に混ぜて
使用してもよい。
最初はステロイドだけを使用し、よくなってから保湿剤を併用する。
寛解導入はステロイド単独、維持期に保湿剤やタクロリムスを
併用する。
タクロリムスは主に顔に塗っていく。
皮膚の炎症をコントロールすることが何より重要。
炎症のない皮膚からはアレルギー物質の侵入はない。
ダニアレルギーや食物アレルギー成分も皮膚から
侵入してアレルギー反応を起こす。
アトピー性皮膚炎であっても普通の石鹸で洗えばよい。
注意点として、抗菌薬、香料、着色料のないもを使用する。
1-2分石鹸を使用したとしても皮膚に悪影響はない。
大事なこととしてアレルギーがないのに食物除去をする
必要はない。
アトピー性皮膚炎は食物アレルギーの強い危険因子となる。