自閉症スペクトラム(ASD)
幼児期に自閉症を疑う所見
声を自発的にほとんど出さない。視線が合わない。横目でものを見る。
物には興味を持つが、他人には興味がない。
棒を叩きつけるなどの反復行動がある。指差しをしない。自発言語がない。
表情の変化が少ない。近く過敏がある。真似をしないなど。
自閉症スペクトラムの症状
社会性や対人関係の障害(コニュニケーションを含む)。
こだわりが強い。
脳の機能的障害で知的能力にも症状にも強弱を含めて
連続性(スペクトラム)がある。全体の1-2% 男子が3-6倍多い。
多くは言葉の遅れ、知的障害とみなされる。
療育的対応によって高次機能化する。知的に劣ることはないが、
会話がつながらない、指示が通らない。友達が出来ない。
上手く遊べない。何かに熱中し始めると止まらない。
→アスペルガー症候群
社会性の障害
眼を見こと視線を合わせることが苦手。→目を見ていると錯覚してもらう
ようにする。
手をつなぐ、体に触ることが苦手。→短時間から慣らしていく。
同時に何人かと対応することが苦手。→順番に対応する。
急な変更に対応出来ない。→あらかじめわかるようにしておく。
こだわり
手順や道順にこだわる。→いろいろなやり方をマスターする。
知覚過敏がある。→基本はなれさせる。場合によっては回避。
イアーマフ。ヘッドホンなど。
違和感のない手触りのよいものを使う。
ひとり言、反復性行動。→場所を選ぶ。
想像力の障害
ここがどんな場所か理解できない。→静かにしている場所か?騒ぐ場所?
相手がどう考えているかが理解できない。→自己主張が強いと思われて
しまう。話す順序を学習する
見ればわかるだろう。→見なければわからない。適切な指示が必要。
高次自閉症(アスペルガー症候群)
高次自閉症は、コミュニケーションが下手なかわりに正直、まじめ、
率直、正義感などが長所。
言葉が遅れると自閉症?
以前は自閉症は知的障害を伴うものと考えられた。
→自閉症は言葉の遅れを伴う。言葉の遅れは知的障害があるから。
知的障害は治らないから自閉症は治らないとされていた。これは誤り。
多くは改善する可能性を知らない。個別療育によって変化が出てきた。
発達が大きく改善する子供たちがいる。しかしあまり変わらない子供もいる。
事前に判定できないのが課題。
自閉症への対応
まずは診断より何が困難か考える。
必要があれば検査。
診断名ではなく実際の生活上の問題点を把握。
将来的目標の聴取。
無発語は知的障害とは限らない。
実際の問題点に合わせて対応方法を考える。
改善状況に応じて課題設定を変える。
場合によって多職種との連携をする。
疑わしければ介入を
まずは聴力の確認。
子供の行動を確認する。
保護者の気持ちを理解する。→つながり感の有無
一歳でも介入は出来る。
対人関係をどうやって作るか。
反応を引き出すための取り組みをおこない、
介入的な対応につなげていく。
集団療育と個別療育
ここに合わせたプログラムが必要。
発達検査は評価に過ぎない。
プログラムの結果が重要。
集団療育をしばしば行われるが、個別対応が難しいのでそうなる。
人材が不足している。家庭でも個別に対応できることを行う。
個別療育は4歳までに開始したい。
診断の遅れは介入の遅れになる。
早期介入により社会適応が可能になる。